『激マン!デビルマンの章』永井豪

永井豪は最近はもう微妙な作品ばかりだったんで完全にスルーしていた。「タイトルからしてバクマンのパクリじゃん」とか良い印象がなかったんだが読んでみるとこれが実に面白い。

内容的にはデビルマンを今風に描き直しのダイジェスト版パートと永井豪ならぬ「ながい激」を主人公にした舞台裏パートから構成されている。

デビルマンリメイクパートは正直なところ今イチ。今の絵のほうが洗練されているかもしれないが、昔の絵の迫力にはとうてい及ばない。ただ、内容を忘れていたり曖昧になっている人も多いだろうからリメイクパートが不必要とも言えないか。

これはリメイクとは関係ないが永井豪や石川賢の単行本でのコマの描き換えや描き足し、再編集は勘弁して欲しい。絵柄が全く違っていて違和感ありすぎたり話の流れがおかしくなったりで読む側としては有り難くないんだよなぁ。文庫版のデビルマンなんか新デビルマンまで組み込んじゃってたりとかちょっとねぇ。

ながい激パートは永井豪の記憶を元に虚実織り混ぜてという感じでこちらがやはり面白い。編集者やマネージャー、アニメ製作側との絡みで語られる色々な事実?が実に興味深い。それにしてもデビルマンの連載に集中するために『ハレンチ学園』や『あばしり一家』を終わらせたとは。

あれだけの内容を5巻で纏めたのは凄いとはよく言われている事だが、打ち切り寸前だったのであれこれ省いて無理やり完結させたとは知らなんだ。当時から人気があったけど作者の意思でこの長さで終わらせたんだと思っていたわい。ってこれは人気絶頂のままあえて中途半端な所で終わらせた『凄ノ王』と完全に逆パターンですね。

「激マン!」が面白ければ面白いほど読んでいて悲しくなってくる。2巻でハレンチ学園をやめる時にながい激が言った台詞が「何をやってもハレンチのマンガ家というイメージが先行する」「だからそれだとマンガ家として先に進めない……」「オレは次々と新らしい作品に挑戦したい!そのつど作家として変化し続けて生きていきたい」
ここ10年ぐらいず~っとリメイク物ばかりだったり何かというとデビルマンにつなげちゃうし、今描いてる作品も『デビルマンサーガ』とか『グレンダイザーギガ』だけに何か切なくなってくるねぇ……。

リメイクじゃないSF・伝奇系の作品描いたのって『天空之狗』が最後だっけ?でもあれもデビルマンの系譜に入っちゃうのかな。砂探了(さたんりょう)と亜門輝(あもんあきら)とか…ジンメンやカイムも出てくるしなぁ。けっこう好きだったんだけどおなじみの第一部完!で終わっちゃったのが惜しい。

まぁ、何はともあれ近年のダメ作品群とは全然違うんで永井豪ファンなら必見。

 
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