『マクロスΔ(デルタ)』…なんかダメでした

前作のマクロスFは当時スルーしていたのだが、後になって何かのきっかけで試しに見てみたら意外にも面白かった。マクロスFをリアルタイムで観れなかったのが悔しかったのでとりあえずマクロスΔ観てはいたのだけれど、なんとも盛り上がりに欠ける作品です。

期待ゼロだったぶん好印象だったマクロスFの後でハードルが上がってしまうし、較べちゃうからデルタが微妙に感じるのかと最初は思っていた。

登場人物たち

今までの作品とかぶらないように「ワルキューレ」はアイドルユニットになったのだと思う。しかし、その人数を持て余し気味にしか見えないのがどうにもこうにも…。

ワルキューレに限らず登場人物全般が記号的な扱いで人物としてまともに描かれてないから魅力もな~んもない。区別のため無理やり巨乳とかハッカーとか属性つけただけ。出番が少なくても印象に残るような台詞とか場面あるキャラが誰かいればよかったんだけどね。

ウィンダミア人がやたらと「風が…」とか言うのだが自然な感じが欠片もなくて、厨二病患者の邪気眼とか「鎮まれ、俺の右腕」みたいにしか聞こえんのよ……隊長のクラゲもね。まあ、こういう演出が難しいのはわかるんだけど。ファンタジーもので度量衡の単位を独自の名前にしただけで世界観スッカラカンとかとかぶりますな。

結局、登場人物の名前を半分もおぼえずに終わってしまったですよ。

そういえばFの劇場版はナナセがリストラされてたが、マクロスΔは物語の構成的に半数以上の人物をカットしても話は成り立っちゃう。ぶっちゃけミラージュとかメッサーに教官役やらせればOKなぐらい存在意義がないし…。

前半の印象

作品を採点するとして、1つ1つの要素でいうと他の作品とくらべそこまで悪くはないと思うんだけど…100点満点中の60点ぐらい?ただ、全ての項目がこのレベルに落ち着いちゃって突出した何かが無いのが大問題。各回のシナリオもどこかで見たようなパターンばかりだ。

マクロス7なんかは1年間保たすため、ほんっとにどうでもいいような回とか使い回しの戦闘・演奏シーンばかり。でも主人公の熱気バサラのパワーだけで全てを凌駕しちゃってカルト的人気がある。マクロスプラスはお話は感心しないが映像表現だけで突き抜けちゃってる。Δでもそういう何か魅力があれば救われたんだけど…。

ダメならダメで突き抜ければ「彼岸島」みたいなギャグにもなるのだが、そこまでネタにできるほどダメでもない。映像的にはキレイなほうなのだろうが、それだけで満足というほど凄くもない。

結果として、すごく印象が薄~いのだ。…ってのが物語前半ぐらいまでの印象。正直なところネットで「第一話・1クール目は良かった」みたいな人が多くて「え~!?」って感じであります。最初からつまらなかったよね?

 
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脚本と構成はダメね

全体の構成とシナリオのダメさかげんについてだけは擁護のしようがない。茶番にしか見えないオーディションやアイドルとパイロットがなぜか潜入工作を行う(しかも何度もやりやがるんだ…)回とか。「○○○に全部責任を押しつけて物語を締めたりしないだろうな?」と思っていたらほんとにやっちゃったし。

物語として1クールどころか下手したら6話ぐらいで纏められそうな話を2クールかけてダラダラやってる癖に、人物や世界設定などほぼ全ての描写が不足しているという「どうしてこうなった?」状態。

行間を読ませようという事か?グレートメカニックのような本に「あれはね…」みたいにあれこれ設定が書かれているらしいのだが、そんなもんまでわざわざ読まないよ。


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大した事のない情報や設定を出し惜しみするよりも、それを足掛かりにもっと話を広げるべきなんじゃないかしらん。

伏線投げっぱ…

クロスワードなんかの穴埋めの快感ってあるじゃないですか。ジグソーパズルのピースがはまってく感じとか。そういう物語がかっちり組み上がってく快感を全部投げ捨てちゃってるんですよね、この作品って。

動物に芸をしこむ時に「ちゃんと芸ができたらご褒美をあげる」ってのは鉄則。何も貰えなかったら動物は芸なんてしても無駄だから何もしないと学習しちゃう。マクロスΔってのはこのやっちゃいけないパターンを視聴者にやってるのだね。

意味有り気なカットをちょろちょろ入れるだけで結局話には絡んでこないという展開がず~っと続く。考察しようにも劇中での情報量が足りなすぎるので、「今はまだ保留だな」となっちゃう訳であります。そして、そのまま何も起こらずに話だけは進んでくので「保留→どうでもいい」と興味を失うという最悪パターン。

例えば主人公の胸元でキラキラ光るフォールドクォーツ(結局意味なし…)とか美雲の嫌ってほど挿入されるイメージ描写とかね。

美雲が純正の人間じゃなさげってのはそれらを見てりゃわかる。ただ、それだけの事が劇中で判明するのが終盤ってどうなんでしょ。(正体を3パターン考えて、そのどれかを決めずに制作してたとかネットで見ましたが本当なんかね…)

そして最終回で張るだけ張ったその他色んな伏線を全てを放り投げ……何それ。

Δ放送前ぐらいの河森監督インタビューか対談で「最近の視聴者は行間が読めない・伏線を張ったらすぐし消化しないとダメ、こういうのはどうかと思う」みたいな事を見た記憶がある。それを読んだ時は確かにその通りだと思った。

だからといって全部ほっぽり投げてしまうような作品というのはいかがなものか…。

「機動戦士ガンダム00」の2ndシーズンは劇場版が決定したために本来TVでやるはずだった未知との遭遇展開を温存したように見えた。マクロスΔもまさかねぇ…?

ワルキューレの売上は良いらしいのでΔを息の長いコンテンツにするためにネタの出し惜しみをした?もしそうならガッカリというか、本編の右肩下がりな盛り下がりっぷりを直視しろといいたい。水で薄めすぎたカルピス状態ですよ。


この作品のできの微妙さについては制作スタッフの力量がどうとかではなく、全体を統括する人の責任だと思う。集団での作業って舵取りをする人間がダメだとどうにもならんのですよ。

とにかく人に見せる作品を制作する上でやっちゃダメな事をかなりやらかしてるんで、全ての物作りを志す人に見てほしい作品です、ある意味。

 
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その他

Posted by Xanadu77


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