芝崎みゆき「古代マヤ・アステカ不可思議大全」

マヤ・アステカ好きなら激しくお勧め。何度読み返したかわからない。
姉妹本「マヤ・アステカ遺跡へっぴり紀行~メキシコ・グアテマラ・ホンジュラス・ベリーズの旅」こちらも合わせてどうぞ。
不可思議大全はB.C.1200年頃のオルメカ文明からアステカ文明、そして1521年のコルテスによる征服まで中米の歴史をざっと追っていく感じ。紀行はその取材旅行記です。本来は一冊にまとめるつもりがページ数が増えすぎたため2冊に分割したらしい。内容的にも気合が入っているのが読んでいてわかるですよ。

文章は全て手書きの文字。イラストと合わさって妙にイイ味を出してる。もともと中米の遺跡デザインは不思議なものが多いので相乗効果でなんともヘンな世界が広がっていますわ。ただし写真は全くないので資料用途には不向き。いとうせいこう&みうらじゅん著「見仏記」シリーズとテイストが近いか。全編みうらじゅんのイラストのような感じで、その中にいとうせいこうの文までも手書きで書かれてるというイメージ。

構成は大まかにオルメカ文明→サポテカ文明→テオティワカン文明→マヤ文明→トルテカ文明→アステカ文明→スペイン侵略という順で、それぞれの神話や文化、歴史について現在わかっている範囲で書かれている。テオティワカンなどマヤ以前の古い文明はわからない部分が多く、主に頁が割かれているのはやはりマヤとアステカ。

私は古代遺跡とか好きなんですが何気に中南米の文明に関する本って初心者向きに良いのがない。高校の時の世界史の教科書なんて中南米の文明については記述がほとんどなかった。世界史は基本的に西洋中心で書かれてるんで、その流れと全く無関係に歩んできた場所だからしかたないのかもしれん。古代文明全般の中での1パートとかピンポイントで特定の遺跡を扱ったもの、オーパーツなんかのアヤしい系は多いんですけどね。その点、この本は専門書並、とまではいえないが大全・紀行の二冊を合わせた時の情報量はかなりのもの。そこらのマヤ物のムックや新書などよりはるかに読み応えがある。

例えば、TVなどでスペイン人のアステカ征服について「白い肌に金髪という外観が伝説の神にそっくりだった」のと「銃など近代兵器の力で楽々征服できた」みたいな話をよく見ますが、実は真っ赤な嘘みたい。アステカ側が生贄の儀式にこだわっていなかったら全滅していた、伝説の神云々はスペイン人の書いた本にしか記述がないのででっち上げの可能性が高いんだそうで……。私が子供の頃に読んだマヤ・アステカ本よりも情報がアップデートされてますなぁ。
その他ムー大陸の名前の由来だとか有名なパレンケのロケットに乗った人物のレリーフが実際はどう解釈されてるかなど雑学・豆知識系も盛り沢山。

2010年に池袋の古代オリエント博物館で「古代メキシコ・オルメカ文明展~マヤへの道」という展示がをやっていました。ちょうどこの本で見たばかりの出土品(会議をしている人々?だったかな)が展示されてたんよね。実物は思ったよりも小さくてこの本のイラストのほうがカワイイ感じ。
それとは逆にマヤの絵文字なんかは写真を見ると石に刻まれてる文字はほとんどレリーフ状で立体感がハンパない。文字というより彫刻?イラストから受けたイメージとの差にビックリするかも。こういう実物や写真とイラストの差みたいのでも結構楽しめるぞ。
中米って危険なイメージがあったんだが、旅行記のほうで読んだ感じだとそうでもないみたい?いつかこの本を片手に中南米へ遺跡巡りの旅に行きたいなぁ。やっぱり実物を見てみないとね。

こちらの記事もどうぞ→MAYA:Divine Kings of the Rainforest(洋書)

 
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マヤ,

Posted by Xanadu77


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