美術大学受験向け油彩画材ネタ色々

主に受験生向け油彩の画材ネタです。頭の片隅にとめておくと美大受験や趣味のお絵描きに役立つ日がくるかもしれません。とはいえ自分の主観も多いし好みは人それぞれだからね。自分であれこれ試して使い込むのが一番。試験本番でいきなり使った事もない絵具や溶液に手を出すのは無謀。

速乾合成樹脂

個人的に合成樹脂はオススメしない。これらの製品って説明と違って実は厚塗りや盛り上げにあまり向いてないんよね。完全に乾燥するまで待たないと表面だけ乾いて中はブヨブヨって状態で上に絵具を乗せようとするとシワがよっちゃう。

オマケにこれを混ぜると生乾きの絵具の感触が変わって途中で手を入れづらくなる。混ざりづらくなったり、ベタベタ粘ったり。一応オレオパストがいちばん絵具に近いかな?ナイフで剥して描きなおしもやりづらくなるので失敗した時のリカバリーが大変。

乾いた後もどこか柔らかくて角の丸いビニールっぽい?というかアクリル絵具っぽい?絵肌になります。短時間で乾かすためというよりどちらかというと少量だけ混ぜてヒビや剥離防止に期待したほうがいいような気がする。

受験で有効に使うには乾くまでの時間と厚みを把握してエスキースをちゃんとやったうえで使う時間と場所を完全に計画たてないといけない。ワタシにゃ無理だったです。ご利用は計画的に。

こんなモンに頼るよりは濡れた絵具の上にうまく絵具を乗せるのに慣れたほうがずっといいんじゃないかな。これは油絵具の扱いの上達にもつながるし油絵具という素材の物質性を活かした描きかたです。その結果、絵具をたくさん使う事になるので「物」としての迫力がでる。油の場合はそれが王道だと思うです。

講師や教授の受けも良くなりますぞ。(油絵具をガンガンのせるのは武蔵野美術大学あたりの油科には特に効果的です。武蔵美はこういう真正面から絵具と格闘している絵が好きなのよ。)

誰でも知ってるような気がする画材の小ネタ

お気に入りの筆は複数本用意する
色の濁りを抑えたい時に筆洗がめんどうなので一番よく使う筆を2、3本用意しておくと色によって使い分けれて便利。筆に使う金はケチらない方がいいです。やっぱり値段で穂先のまとまりや毛の抜けやすさとか露骨に変わりますね。

自分が愛用しているのはフランス製のRaphaelというブランドの豚毛の平筆&フィルバート。穂先のまとまりがよく使いやすい筆です。値段は中の上ぐらい、世界堂の新宿本店で売ってます。

絵具でガチガチに固まっちゃった筆の再生には「アクアマジック」を使ってます。数時間漬け置きして水で洗うだけなので楽です。普段の作業終了時の筆洗の仕上げに使うもよし。筆の根本のほうの絵具もキレイに取れますぞ。

大作用絵具(マチソンとか)

安かろう悪かろうと思って敬遠するのはもったいない。全体的にちょっと着色力強めな印象(マチソン)。たぶん、たくさん絵具を使う人向けにわざと効きを強くしてるんじゃないかな。

絵具代もバカにならんので大量に使う色には導入を検討すべき。高い絵具をチマチマ使うよりはこいつらを気兼ねなくガンガン使い倒す方がいいです。

ついでにtintとhue

こいつらも使うなと教えられると思う。顔料を何種類も混ぜまくったものは避けた方がよいけど合成顔料を使って値段を抑えたものは全然OK。ウルトラマリンとフレンチウルトラマリンの違いみたいなモノ。「褪色しやすいかも」なんて受験中に気にするべき事じゃないです。チューブに使ってる顔料が記載されてるので何種類使ってるかだけでもチェック。

混ぜて作れるような色でも単品の絵具で買っちゃった方がいいものもある。自分で混ぜるより色の純度というか彩度?が高いんですよね。カドミウムオレンジとかほんとにキレイ。ワタシはお金無かったんでhue使っちゃってたけど生で使うなら混ぜもの系でも色の冴えは悪くない。

筆洗ネタ

ペトロールやテレピン、クリーナーの代わりにホームセンターで売ってるペンキの薄め液。値段が遙かに安いので、そのぶん他の画材に回しましょ。洗った後、ちょっと乾きが悪いというか筆に成分が残る感じなので注意。ざっと大まかに洗う用ですね。筆洗を2つ用意するか小皿に入れたテレピンなどで2度洗いをして下さい。

筆洗器は大きい方がやっぱり楽。ハケや太い筆をつっこめるから…というよりも筆洗に入れるクリーナーの液量が多いほど筆の汚れを落としやすくなるので。顔料は下に落ちるようになっているけれど、リンシードやポピーオイルは溶けこんでクリーナーの成分が薄まっちゃうからね。

試験前は筆洗に入れたテレピンやペトロールを新しいものに交換するのを忘れずに。

キャンバス張り器

握力のない人は幅広かゴムのついた張り器を。張りやすさが全然違います。何度も張り直すのも時間の無駄だしイライラしてくるので精神衛生上よろしくないです。

釘じゃなくてガンタッカー(ホッチキス)も予想以上に楽なんですが直前講習だと描く枚数も多くなるから経済的じゃないかもですね。ホッチキスで張ったキャンバスですが10年ぐらい経っても特に緩んだりしてません。

パンドル
速乾だけが目当てだったらリンシードやポピーオイルを入れずパンドルだけ絵具に混ぜて使うのもアリ。ツヤツヤテカテカの絵肌だし耐久性に疑問があるので好き嫌いはありますが…乾くのはほんとに速い。

使い道のわからん小ネタ
どうにも使い道が思いつかない技を予備校の講師から教わった「油絵具にアクリル絵具を混ぜる」。化学反応?を起こしてあっという間に固まります。これ持ち込み禁止に引っかかるだろうしなぁ。下手したらパレットで混ぜてる最中でも固まってくるし。

サンシックドリンシード
普通のリンシードよりちょっとお高いやつ。若干乾きが速く筆跡のない光沢のある丈夫な絵肌を作る、はずだがメーカーによって説明書きも油の色合いも全然違う。自分はホルベインのを愛用してるけど受験向きではないかなぁ。

一応は広口のガラス瓶などにリンシードを入れて空気を遮るために水を張る、そして日光に晒し続ければ時間はかかるが自作は可能。黄色が抜けて透明に近くなるのは本で読んだ通りだが、乾きはむしろ遅くなった気がする。

いまさら白絵具

予備校などではまずはシルバーホワイトを薦められるが色々使ってみて自分に合っているものを見つける事。

ワタシが受験直前で重宝したのは軟練りの白。(たしかW&Nのソフトミキシングホワイトだったかな…)。缶のシルバーとか使ってると油が分離して自然に油抜き状態になってメチャクチャ固くなるじゃないですか。パレットで混ぜるだけでも時間とられちゃうし重~く絵具を引きずる感じが嫌だったんで試しに買ってみたらメチャクチャ使いやすかった。シルバーよりも軟らかいので混色が楽でさっと混ぜられるし筆運びもずっと軽く、上にのせやすいので早描きに向いてる。軟練りの白はクサカベなど他のメーカーからも出ているのでお試しあれ。

一応の各種ホワイト説明

  • シルバーホワイト
    ・着色力が弱い
    ・乾燥が早い(でも試験時間中に乾くかというと…)
    ・チューブから出した時は寒色系だが、乾くと黄色味を帯びるので注意
    ・混色制限あり(実際に問題を感じた事はない。現代の技術でちゃんと練られたものは油で顔料の粒が覆われて直接触れあわないから平気っぽい)
  • チタニウムホワイト
    ・着色力、隠蔽力が最も強い
    ・乾きは遅い
  • ジンクホワイト
    ・剥離の危険性ありなので下地では使わない事
    ・あんまり使わないよね…愛用してる人見た事ないです
  • セラミックホワイト
    ・ホルベインのみ発売
    ・寒色系でシルバーとチタンの中間ぐらいの性質
    ・使いやすく美しいが、とにかく高額なのが難点
  • パーマネントホワイト
    ・チタンをベースに着色力などを弱めて使いやすくしたもの
    ・各社で使ってる顔料がけっこう違う
    ・シルバーよりこっちの方が初心者向きなのでは…

今更こんなものを書くのもどうかと思ったが画材の知識系は調べる人と全く調べない人の両極端に分かれるので念の為に書いておくです。ワタシなんてずっとシルバーをメインで使い続けててチタンが自分の絵に合ってると気づいたのが美大卒業間近でしたわ。こんなバカもいるのです。

 
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